この記事のトレーニーレベル

初心度 
難易度 
脳筋度 
脳筋度とは、筋トレに対する知識がどれだけ高いかを示す
運営者独自の数値です

これから筋トレを始めてカラダを引き締めよう!と気合いが入ってジムに入会したはいいものの、筋トレどうやったらわからないという人は多いと思います。

せっかくやるなら効果のある方法でやりたいですよね!

そこで今回は、効果的な筋トレを行う上で欠かせない「重さの設定」についてお話しします。重さの設定は自分の目的やレベルによって変えなければなりません。これができればあなたはトレーニー上級者です!

超王道のRM法とは?

重さの設定にはいくつか種類があり、今回は超王道のRM法を紹介します。

RMとは、Repetition Maximum(レペティション マキシマム)の略です。

Repetition=反復/Maximum=最大

日本語では最大反復回数と呼ばれます

例えば、1RMというのは自分が1回だけ行える重量のことで、自分が扱える最大挙上重量とも言えます。
スクワットを100kgで完璧なフォームのまま1回だけ行えるトレーニーAさんは、スクワットの1RM=100kgです。

これを基準にして、目的に合わせて重さを設定します。

RMを設定するために

RMの設定には、少しテクニックが必要です。
なぜなら、正確なRMはその種目の最大挙上重量がわからなければ設定することができないからです!

つまり、スクワットのRMを知りたいならまずスクワットを1回だけできる限界の重さを計測しなければなりません。

トレーニングに慣れていない初心者の方が、いきなり最大挙上重量を計ろうとしたらとてもキケンです。
ヘタしたらケガします…

そのために、RM換算式というのが開発されています。
自分が扱える重さと回数から、最大挙上重量を計算するというものです。

今回はその換算式から、ご自身のベストな重さを出してみましょう!

RM換算式

RM換算式には、2つの種類があります。

上半身の種目と下半身の種目で計算方法が変わります

  • 上半身
    最大挙上重量(kg)=重量×回数÷40+重量
  • 下半身
    最大挙上重量(kg)=重量×回数÷33.3+重量

例えば、上半身の種目で40kgで10回できる場合

40kg×10回÷40+40=50kg

となり、この人の最大挙上重量は約50kgになります

目的に合わせた重さを設定しよう

RM換算式で自分の最大挙上重量が導き出せたら、目的によって重さの設定をしましょう。

筋トレの主な目的として、
1.筋肉を大きくしたい(筋肥大)
2.筋力を強くしたい(筋力増大)

この2種類に応じて、重さを設定します。

そして、この2種類を効率よく鍛えるために、今までは以下のように言われてきました。

筋肉を大きくしたい(筋肥大)
→8〜12RM程度の重さ

筋力を強くしたい(筋力増大)
→3〜5RM程度の重さ

つまり、1RMが50kgと計算された人は

筋肉を大きくしたい時は約65kgで8回、もしくは約30kgで12回やればOKということになります。
筋力を強くしたい時は約45kgで3回、もしくは約40kgで5回やればOK。

hiro

と、前までは言われていました。

今は違います!!

研究論文レビュー
筋力増大を目的とする場合
=1RMに近い重さの高負荷で行うことが必要
筋肥大を目的とする場合
RMに関係はない

つまり、筋力を強くしたい時には重さの設定が必要であり
筋肉を大きくしたい時にはどんな重さでも効果があるということです!

筋肉を大きくしたいと思っている人は…

潰れるくらい必死で回数をこなしても、
3回くらいでやれる重さでスパッと終わらせても、

結果は同じなんです!!

なので筋肉を大きくしたい(筋肥大)という目的の場合は、
重さを重要視するのではなく、そのほかの要因を重要視すべきということになります。

反対に、筋力を強くしたい(筋力増大)という目的の場合は、重さの設定に影響されます。

多くの研究論文では、筋力増大に効果があると示された重さは
1RMの60〜70%以上、もしくは8回以内が限界の重さとされています。

一般的な筋力トレーニングのガイドラインでも、1RMの70%以上が必要と示されています。

目的別 重さ設定ポイント
  1. 筋肉を大きくしたい(筋肥大)
    →重さによる影響が少ないため特になし
     
    ※その他の要因を重要視すべき
  2. 筋力を強くしたい(筋力増大)
    →1RMの60〜70%以上、もしくは8回以内が限界の重さ

ただし、筋肥大についても1RMに近い高負荷で行うと効果が高いという研究もあります。
中級者以上のトレーニーは1〜5回で限界になるような高負荷を扱うのも一つの選択です。

RM法を実践してみよう

自分の目的に合わせて、重さの設定をしてみましょう!

序盤は初心者向けのSTEPがありますので、中級者以上の人はSTEP3から始めてみましょう。

STEP1
自分が扱える重さを試してみよう

まずは上半身・下半身のそれぞれの種目を挑戦して、何kgをどれくらいできるか試しましょう。
この時、絶対にムリはしないでください!

STEP2
10〜15回できる重さを見つけよう

次は連続で10〜15回できる重さを見つけてみましょう。
マシントレーニングの場合はウエイトを1コずつ慎重に上げましょう。

STEP3
RM換算式で最大挙上重量を出してみよう

上半身 最大挙上重量(kg)=重量×回数÷40+重量
下半身 最大挙上重量(kg)=重量×回数÷33.3+重量

STEP4
最大挙上重量から何%でやるか計算しよう
  • 筋力強化…60〜70%以上
  • 筋肥大…特になし(中級者以上は50%以上)
STEP5
導き出した重さで挑戦!

筋力・筋肥大ともに6週間以上継続してみましょう。

まとめ

今回は筋トレにおいてとても大事な重さの設定について紹介しました。
以下にまとめを書きましたので、参考にしてみましょう。

まとめ
  • 筋トレの目的によって、重さの設定をすることで効果を高めることができる
  • 重さを設定する際にRMを活用する方法がある
  • RMは換算式で導き出し、最大挙上重量を計算する
  • 筋肥大の場合は重さによる影響を受けづらいため、その他の要因を重要視すべき
  • 筋力増大の場合は重さによる影響がある
    →1RMの60〜70%以上、もしくは8回以内が限界の重さ

RM法というやり方で、目的に合わせた効果のある重さを使えると良いかと思います

hiro

実は、、、
RM法よりも効果のある方法
が近年発明されてきました。

この辺のお話は、またの機会に!

それではまた

参考文献

Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis Brad J Schoenfeld 1Jozo Grgic 2Dan Ogborn 3James W Krieger 4

Resistance Training Load Effects on Muscle Hypertrophy and Strength Gain: Systematic Review and Network Meta-analysis Pedro LopezRégis Radaelli 1Dennis R TaaffeRobert U NewtonDaniel A GalvãoGabriel S Trajano 2Juliana L Teodoro 1William J Kraemer 3Keijo Häkkinen 4Ronei S Pinto 1

Muscle hypertrophy and strength gains after resistance training with different volume-matched loads: a systematic review and meta-analysis Leonardo Carvalho 1Roberto Moriggi Junior 1Júlia Barreira 1Brad J Schoenfeld 2John Orazem 2Renato Barroso 1

Effects of resistance training performed to repetition failure or non-failure on muscular strength and hypertrophy: A systematic review and meta-analysis Jozo Grgic 1Brad J Schoenfeld 2John Orazem 3Filip Sabol 4

Source: National Library of Medicine