みなさんこんにちは!

日々トレーニングをして筋力アップや筋肥大を目指すみなさんは、VBTというものをご存知でしょうか?

ここではトレーニングや健康について科学的根拠のある情報を発信しており、なるべく最新の情報を皆さんにお届けできるようにしています。

その中でも、今回紹介する全く新しいトレーニング方法は、まだ世間に浸透されていません。

おそらくこのトレーニング方法を扱うトレーナーは数少ないと思います。

そのため、新しいトレーニングで効果を発揮させたい人も、そのトレーニング方法を学びたいトレーナーの人も必見です!

最後までお楽しみください。

hiro

今回の記事はこんな人にオススメ!

  • 筋トレの効果を高めたい
  • スポーツの競技力を向上させたい
  • 最新のスポーツ科学に基づくトレーニングを学びたい

VBTとは速さを基準にするトレーニング

“速さ”を強度の指標にするトレーニング

VBT=Velocity Based Trainingとは、速度を基準としたトレーニングという意味です。

速度は、筋力トレーニングやスポーツ動作において重要です。人間が運動を行うとき、どれだけ力強く運動ができたかを物理的に決めるのは、筋力と速度が関係します。

力強さをForceと表した時の計算式は、次の通りです。

F=ma (ニュートンの運動の法則)
F:Force=力 m:mass=質量 a:acceleration=加速度

つまり、人間がどれだけ筋力発揮をしたかを決定するのは、質量(バーベル・自分の体重など)をどれだけ速く動かしたかで決まります。

ベンチプレスで、100kgのバーベルを3秒かけて挙上するのと、1秒かけて挙上するのとでは、後者の方がよりパワー発揮ができているということです。

スポーツに必要なRFDのトレーニングができる

RFDとは、Rate Force Development=力の立ち上がりの速さという意味です。

スポーツ動作のほとんどは、とても短い時間で完結します。

サッカーのシュート、バレーボールのスパイク、野球のピッチングなど、0.1〜0.3秒の間に終了します。

さらに細かく言うと、走るときには片足でわずか0.2〜0.08秒で地面に接地しなければなりません。

つまり、走る・投げる・跳ぶといった基本的スポーツ動作は、ほんのわずかな時間内で力を発揮させなければなりません

そのため、自分の最大パワーをどれだけ速く発揮させるかが、スポーツ動作のパフォーマンスアップに必要です。

VBTは、最大パワーの立ち上がりを速くさせるためのトレーニングです。

専用のデバイスを利用した場合、RFDを瞬時に計測してフィードバックができます。

VBTのメリット

メリット① 筋力増大・筋肥大の効果がある

筋トレの効果を得るために、従来はRM法という方法が取られてきました。RM法とは、1回で挙上できる最大重量を基準としたものです。

筋トレの効果としてあげられる筋力増大や筋肥大について研究した論文によると、RM法とVBTの間で大きな差がないと報告しています。

つまり、筋力増大・筋肥大に関してはVBTもRM法も同等の効果があるというわけです。

メリット② スポーツ選手に必要な筋力発揮を鍛える

スポーツ選手に必要なパフォーマンスに関して研究した論文によると、VBTによるウエイトトレーニングを行うことで、ジャンプやスプリントなどが有意に向上したと報告しています。

スポーツ選手は、競技に必要な体力要素を向上させなければなりません。

どれだけ重いバーベルを持ち上げても、競技につながる効果がなければ意味がないです。

個人に合った重さを最大限速く挙上することが、スポーツの競技に必要な筋力発揮につながります。

これは先述したRFDの要素が含まれます。

メリット③ 個人差による弊害がなくなる

チームに所属しているスポーツ選手に対しても、VBTは高い効果が得られます。

チームでウエイトトレーニングをするとき、一般的に行う場合は重さを基準にしてしまいます。

「今日はベンチプレス80kgを5回3セット」といったメニューが出されたとき、ある選手は余裕でこなす中、他の選手は必死になって終わらせるシチュエーションが多々見られます。

余裕でこなす選手は、今以上の筋力発揮ができていないため、自己満足で無駄なトレーニングになります。

必死で終わらせた選手も、オーバートレーニングになってしまえばパフォーマンスダウンになります。

VBTを測定しながらトレーニングを行うことで、どれだけパワーを発揮しているかが客観的にわかります。

パワー発揮のデータを基に、個人差の弊害を解消することができます。

VBTのデメリット

デメリット① 専用のデバイスが必要

VBTは、速度を計測する機械が必要です。

1990年代から研究が始まり、当初は大きな測定器を用いた研究のみが行われてきました。

現在は、大きさ5cm以内で誰でも速度が計測できるデバイスが開発されています。

VBTデバイス:Enode Sensor
500mlペットボトルとの比較

優れたアイテムですが、なんといっても値段が高い!!これが最大のデメリットです。

写真にあるEnode Sensorは、4万円以上のお値段です。

そのほか、GymAwawreという会社のデバイスは50万円まで跳ね上がります。

さらに、これらのデバイスは専用のアプリでトレーニングを管理する必要があります。

無料版もありますが、充実した機能を使いたい場合は有料版を購入しなければなりません。

少し敷居が高いですね…

デメリット② 専門的知識が必要

専用のデバイスやアプリを使用してトレーニングを行うと、計測される数値を見ることができます。

これらの計測した数値を正しく解釈する必要があります。

計測される数値には、ピークパワー・ピーク速度・RFD・パワー低下率などがあります。

例えば、ピークパワーが徐々に落ちてしまう場合は重量や回数を減らして速度を上げるようにしたり、パワー低下率が何%まで低下したら終了させるなど、気を付けるポイントがあります。

また、先述したRFD(Rate Force Development=力の立ち上がり)という重要な指標の意味も理解しなければなりません。

もしご自身がスポーツ選手に教える側の立場であれば、専門的知識を得るためにセミナー等に参加すべきかと思います。

筋トレの効果をより高めるために!

VBTをはじめとした筋力トレーニングの効果をより高めるためには、栄養も必要です。質の良い栄養を取りたいあなたに、オススメのプロテインはいかがでしょうか?

まとめ

今回は最新のトレーニング方法であるVBTの基礎を紹介しました。

最後にVBTでの重要なポイントをまとめましたので、チェックしましょう!

参考文献

VBT トレーニングの効果は「速度」が決める 著者 長谷川 裕 2021/7/19 https://www.amazon.co.jp/VBT-トレーニングの効果は「速度」が決める-長谷川-裕/dp/479422527X