この記事のトレーニーレベル
初心度 |
難易度 |
脳筋度 |
みなさんこんにちは!
トレーニーの強い味方として大人気のプロテイン、サプリメントとして使ってる人は多いと思います。私は小学校の頃から飲んでいた記憶があります。
そんなプロテインですが、果たして人間にとってどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
良い面も悪い面も知ってもらい、正しい選択をしていただけたら幸いです。

hiro
今回の記事はこんな人にオススメ!
- プロテインの正しい知識を知りたい
- どんなプロテインを使えばいいかわからない
- 筋トレするときはプロテインを使うべきか迷ってる
プロテインのメリット
まずはプロテインを摂取することのメリットを紹介します。
筋トレと併用することで筋肉量増加・筋力増加の効果がある
プロテインといえば、なんといっても筋肉を増やすことを第一に考えて摂取するでしょう。この考えは現在の研究結果からも効果があると認められています。
筋トレをして筋肉を大きくしたり、筋力を高めてパワーアップしたい方は、プロテイン摂取をオススメします。
だたし、後述するデメリットもありますので注意しましょう!
ホエイプロテインが筋肉量増加・筋力増加に最も高い効果がある
プロテインは原材料や製造方法により種類があります。
中でも牛乳から精製されたホエイプロテインは、筋肉量増加や筋力増加に最も効果があるそうです。
ただし、大豆から精製されるソイプロテインにも筋肉量増加や酸化ストレスの軽減といった効果があるという研究結果もあります。
ホエイプロテインは、サプリメントとしてのプロテイン市場で一番多く流通している種類です。手に入れやすいと思いますので、一度試してみましょう。
運動後30分以内の摂取はしなくてもよい
トレーニーの中では、「運動後30分以内に栄養を摂ると効果がある」と言われてきました。しかし、現在のところこの理論の根拠は確実ではないと考えられています。
様々な研究をまとめたレビューによると、プロテインを摂取するタイミングが違くても全員に筋肉量増加があると報告しています。つまり、運動後30分以内ではなくても、プロテインを摂取すれば筋肉は増やせるということです。
その他のレビューでは、運動前後と夜間の摂取がより効果を高めると報告しています。
運動後すぐにプロテインを摂取できなくても、筋肉を増やすための効果は変わりません。ジムに行ってプロテインがなくても、落ち込む必要はないということです!
トレーニング経験が豊富なほど効果が高い
これは後述するデメリットである“高齢者には効果が低い”というところと関係します。
年齢を重ねていく中で、運動を継続してきた高齢者と、何もしてこなかった高齢者を比較したところ、運動を継続してきた高齢者はプロテインによる効果もあるということです。
運動経験の少ない高齢者ほど、プロテインの摂取による効果は期待できません。これは、筋肉を合成する体の働きが低下しているためと言われています。
いつまでも若々しく健康を保つには、若いうちに運動を始めることが大切です。
プロテインのデメリット
続いて、プロテインを摂取することのデメリットをお伝えします。
摂取しすぎると腎臓・肝臓へ悪影響を及ぼす’かもしれない’
腎機能が低下している人(慢性腎不全や糖尿病など)に対して、低タンパク質食で悪化を防ぐという方法があります。腎機能が低下すると、タンパク質の代謝によって生じる尿素やクレアチニンが排出されなくなります。これらの物質が体に溜まると健康被害が発生します。
また、タンパク質の消化には肝臓の働きが必要です。肝機能が低下している人(脂肪肝・肝硬変など)は、タンパク質の代謝ができなくなり、アンモニアという毒素が蓄積されます。
腎臓や肝臓に何かしらの問題を抱えている人は、プロテインの摂取に気を付けるべきと思われます。
ただし、これらは専門的な指導がない場合になりますので、心配がある方はトレーニング指導者や医療機関へ相談するべきです。
1日に自分の体重kg×1.6g以上摂取しても意味がない
筋トレやスポーツを行うと筋肉の修復などにタンパク質が必要になるため、一般の人よりタンパク質量が多くなります。
どれくらいの量を摂取すると効果的なのか?研究結果では1日に自分の体重kg×1.6gが理想的であると報告しています。
体重70kgの人であれば、70×1.6=112gのタンパク質量ということです。
これ以上のタンパク質摂取は頭打ちになり、どれだけ多く摂取しても意味がありません。過度な摂取はそれなりに内臓に負担がかかるので、注意しましょう。
仮に食事から十分に摂取できている人は、プロテインを飲む必要がないということです。
運動不足の人が摂取すると体に多くの悪影響を及ぼす
プロテインはあくまでもサプリメントとしての役割になります。筋トレやスポーツで筋肉の回復のためにタンパク質がより多く必要になる人にとっては、心強いアイテムになります。
しかし、運動を全くしない人にとってはむしろデメリットしかありません!
運動をしない人がプロテインをとると、先述した腎臓や肝臓への影響だけではなく、攻撃的な性格が出る・ニキビ増加・腸内細菌叢の変化といった体へのデメリットが発生しやすくなります。
運動をしている人に比べて、運動をしていない人の方がこのデメリットに陥りやすいと言われています。
また、プロテインにもカロリーがあるので、単純にカロリーオーバーになって太ってしまうことも考えられます。
高齢者には効果が低い
メリットのところでも述べましたが、運動経験の少ない高齢者の場合はプロテインによる筋肉量増加の効果が低いという研究結果があります。
高齢者は消化機能の低下によるタンパク質吸収率の低下が懸念されますが、無理にタンパク質を摂ろうとしてプロテインを飲みすぎるのはキケンです。
腎臓や肝臓に負担をかけてしまい、病気につながる可能性が高くなります。
持久系の運動能力の向上は???
最後に、持久系の運動能力には効果があるかを研究したものを紹介します。
マラソンなどの持久系スポーツ種目においては意見が様々あり、今のところ断定はできません。
プロテインはスポーツによる筋肉の損傷を回復させるために必要なので、日々の練習や試合でコンディションを整えるために使用することは正しいと思われます。
ただし、プロテインの摂取が直接的に持久的な運動能力の向上に結びつくとは限りません。
まとめ
それでは、サプリメントとしてのプロテイン摂取についてのポイントをまとめましたので、チェックしてみましょう。
- 筋トレやスポーツなど運動をしながら使うこと
- 1日に1.6~2.2g/kg以上は必要ない
- 筋肉量増加や筋力アップにはホエイプロテインが一番良い
- 高齢者の方は摂取量に特に気を付ける
- 運動しない人には必要ない
プロテインはあくまでもサプリメントです。
普段の食事ではタンパク質が足りない人は、積極的にプロテインを使用しても良いと思います。
しかし、必要以上にタンパク質を摂取しても効果がないです。むしろ摂りすぎると内臓に負担がかかるため、不健康になるでしょう。
いつもの食事を基本として、栄養素をバランスよく摂ることが大切です!
参考文献
A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults Robert W Morton 1, Kevin T Murphy 1, Sean R McKellar 1, Brad J Schoenfeld 2, Menno Henselmans 3, Eric Helms 4, Alan A Aragon 5, Michaela C Devries 6, Laura Banfield 7, James W Krieger 8, Stuart M Phillips 1 2018 Mar;52(6):376-384.doi: 10.1136/bjsports-2017-097608.Epub 2017 Jul 11. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28698222/
Whey protein supplementation and its potentially adverse effects on health: a systematic review Quezia Damaris Jones Severino Vasconcelos 1, Tatiana Paschoalette Rodrigues Bachur 2, Gislei Frota Aragão 1 2 2021 Jan;46(1):27-33.doi: 10.1139/apnm-2020-0370.Epub 2020 Jul 23. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32702243/
Effects of Timing and Types of Protein Supplementation on Improving Muscle Mass, Strength, and Physical Performance in Adults Undergoing Resistance Training: A Network Meta-Analysis Huan-Huan Zhou 1 2, Yuxiao Liao 1 2, Xiaolei Zhou 1 2, Zhao Peng 1 2, Shiyin Xu 1 2, Shaojun Shi 3 4, Liegang Liu 1 2, Liping Hao 1 2, Wei Yang 1 2 2023 Dec 1;34(1):54-64.doi: 10.1123/ijsnem.2023-0118. Print 2024 Jan 1. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38039960/
The Effects of Dietary Protein Supplementation on Acute Changes in Muscle Protein Synthesis and Longer-Term Changes in Muscle Mass, Strength, and Aerobic Capacity in Response to Concurrent Resistance and Endurance Exercise in Healthy Adults: A Systematic Review Felicia A Hartono 1, Patrick W Martin-Arrowsmith 2, Wouter M Peeters 3, Tyler A Churchward-Venne 4 5 6 2022 Jun;52(6):1295-1328.doi: 10.1007/s40279-021-01620-9. Epub 2022 Feb 3. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35113389/
Effect of Soy Protein Supplementation on Muscle Adaptations, Metabolic and Antioxidant Status, Hormonal Response, and Exercise Performance of Active Individuals and Athletes: A Systematic Review of Randomised Controlled Trials Reza Zare # 1 2, Asli Devrim-Lanpir # 3 4, Silvia Guazzotti 5, Ali Ali Redha 6 7, Konstantinos Prokopidis 8 9, Daniele Spadaccini 10, Roberto Cannataro 11 12, Erika Cione 11 12, Menno Henselmans 13, Alan A Aragon 14 2023 Dec;53(12):2417-2446.doi: 10.1007/s40279-023-01899-w.Epub 2023 Aug 21. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37603200/
Effects of 16 weeks of two different high-protein diets with either resistance or concurrent training on body composition, muscular strength and performance, and markers of liver and kidney function in resistance-trained males Reza Bagheri 1, Mehdi Kargarfard 1, Ramin Sadeghi 2, David Scott 3 4, Donny M Camera 5 2023 Dec;20(1):2236053.doi: 10.1080/15502783.2023.2236053. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37516903/