ダイエットにおいて体重変化を決める要因は「摂取カロリー」だけではありません。

近年の研究では、タンパク質・脂質・炭水化物(PFC)の摂取比率が、体脂肪量や除脂肪体重に大きく影響することが示されています。

メディアやSNSで「低糖質ダイエット」や「〇〇だけ食べるダイエット」などを見てやってみても、思うように痩せれない、むしろリバウンドしてしまったという人は多いと思います。

それは、科学的に根拠がない方法だからです!

科学的に正しいと証明されていないものは、「すべての人間に当てはまるとは限らない」ということです。

SNSのインフルエンサーが痩せても、あなた自身が痩せるとは断言できません。

あなた自身に効果がある方法…知りたいですよね?

本記事では、PFCバランスに関する科学的知見を整理しながら、ダイエット初心者でも実践しやすい具体的な設定方法や食事例をわかりやすく解説していきます。

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今回の記事はこんな人にオススメ!

  • ダイエットに失敗したことがある
  • 健康的に痩せたい
  • ダイエットの正しい知識を身につけたい

“痩せること”を科学的に理解しよう

1日の消費カロリーが摂取カロリーを上回れば痩せる

人間の代謝機構はとても複雑なので、「これだけやっとけば誰でも痩せる」という魔法は存在しません。

しかし、ほとんどの人に当てはまる方法を科学は証明してくれます。

その方法は、「1日の消費カロリーが摂取カロリーを上回ること」です。

単純明快なことですね!

脂肪組織は生命維持のためにカラダに蓄積され、必要な時に分解されてエネルギー源となります。

必要以上に蓄積された脂肪組織を分解するには、エネルギーの摂取を減らすか、余計なエネルギーを消費しなければなりません。

エネルギーの摂取を減らすには食事を見直すこと、余計なエネルギーの消費には運動をすることです。

今回は食事の見直しについて考えてみましょう!

消費カロリーの主役は「基礎代謝」

消費カロリーを増加させるためには運動をすることとお話ししましたが、実は運動だけでは大きな消費カロリーを稼ぐことができません。

人間が一番消費カロリーを生み出すことができる機能は、「基礎代謝」です。

生命維持活動のために、体温を作り出したり、食べ物を消化してエネルギーに変換したりします。

この時に、人間の細胞は大きなエネルギーを使うので、結果的にカロリーを消費してくれます。

基礎代謝の中でも、特に大きな割合を占めているのが「筋肉」です!

筋肉の量が多いほど基礎代謝が高まるので、筋肉量はなるべく減少しないような工夫が必要です。

1日1万歩歩いてカロリーを稼ぐのではなく、筋トレをしたり、食事を改善して筋肉量を増やす方が効率が良いです。

基礎代謝については別の記事に詳しく解説していますので、チェックしてみてください!

リバウンドする最大の原因「極端なカロリー制限」

食事を見直すときの落とし穴に、摂取カロリーを下げようとして必要な栄養素までカットしてしまうことが多いです。

先述した基礎代謝を高める要因である筋肉量は、食事バランスが崩れると低下してしまう可能性があります。

基礎代謝が低下したら、脂肪が燃焼しづらい=太りやすいカラダになってしまいます。

食べ物を極端に減らして筋肉量を減少させないように、PFCバランスはとても重要になってきます。

なぜPFCバランスが健康に重要なのか?

極端な栄養バランスは不健康になる

PFCの摂取量を比較し、比率によって心血管疾患・全死亡リスク・がん死亡リスクを研究した論文では、以下のような結論を出しています。

このように、炭水化物や脂質を多く摂りすぎる食事は、心血管疾患や死亡リスクを増加させます。

理想的なPFCバランスとは?

多くの研究から導き出された「理想的なPFCバランス」はこちらです!!

初心者がやりがちな失敗例

失敗例① 完璧にやろうとして継続できない

日常的にファストフードや外食を多用している人にとって、上記に示した理想的なPFCバランスを毎日継続することはとても難しいです。

例えば、某有名ハンバーガーチェーンのビッグ◯ックセット(ポテト&コーラMサイズ)P=11%・F=37%・C=52%です。

ほとんどのファストフードや外食では、タンパク質が不足し、脂質や炭水化物がオーバー気味になりやすいです。

ですが、ハンバーガーやラーメンは美味しいです!!!やめられませんよね?

さらに、会社の飲み会や友達とのご飯もあります…そんなところでPFCバランスを考えていたら、楽しくありません!

現代社会の環境において、PFCバランスを求めすぎてしまうと、かなりストレスを感じるかもしれません。

1日3食のうち、お昼にハンバーガーセットを食べたら、夜はタンパク質を増やして脂質を減らす工夫をすれば問題ありません。

失敗例② タンパク質が極端に少ない

ファストフードや外食の中でも、タンパク質が豊富なハンバーガーやフライドチキンはまだマシです。

ラーメンやピザ、うどんなどの炭水化物と脂質が多い食べ物はとても危険です!

お菓子だけで食事を終わらせるのはもってのほか!!

タンパク質の摂取量が低いと、健康被害のリスクが高くなると報告されています。

肉や魚、豆類を多く含んだ食べ物を選ぶと良いでしょう。

失敗例③ 炭水化物を極端に減らしてしまう

一時期流行した「低糖質ダイエット」は、科学的に正しいダイエットとは言えません。

理想的なPFCバランスの中でも、炭水化物の比率は50〜65%と高めです。

つまり、炭水化物はある程度食べないと健康被害が起きる可能性があるというわけです。

カラダが低糖質状態になると、生命活動を保つためにエネルギーを溜め込みやすくなります。

さらに、肝臓や筋肉からグリコーゲン(細胞のエネルギー源)を作り出してエネルギーを確保しようとするため、筋肉量が低下します。

筋肉量が低下し、省エネモードになったカラダでダイエットをしても成果はほとんど出ません。

むしろ、リバウンドのリスクが高くなってしまいます!

炭水化物はほどほどに調整することが望ましいです。

失敗例④ 脂質を知らぬ間に摂取している

先述したハンバーガーセットの栄養素量をみると、タンパク質の比率が低いように思えます。

これは単純にタンパク質量が少ないのではなく、脂質や炭水化物が多すぎることが原因です。

ビッグ◯ックセットの栄養素の質量を見ると、タンパク質=30g・脂質=45g・炭水化物=150gです。

タンパク質30gというのは、プロテイン1杯より多いです。

ということは、脂質と炭水化物を食べ過ぎてしまっていると言えます。

特に脂質は1g=9kcalのエネルギーをもち、少量でもカロリーオーバーになってしまいます。

脂質は気をつけないとあっという間に上限値に達してしまうので、まずは脂質を抑えるところから始めましょう!

初心者でも実践しやすいPFCバランス実践例

まずは7割達成を目標にしよう

上記に示したように、失敗しやすい例をなるべく避けれるようにしたいです。

特に失敗例①の「完璧にやろうとして継続できない」ところは要注意です!

ダイエットや減量は効果を実感できるのに数ヶ月かかります。

さらに、生涯を通して健康を目指すのであれば、食事改善をなるべく長く続けることが大前提です。

最初は“だいたいこのくらい”で大丈夫です!

まずは脂質を抑えながらタンパク質を増やし、炭水化物はそのままの食事を心がけましょう。

1週間の食事メニュー

ここからは実践編です!

1週間の食事メニュー例を作りましたので、参考にしながら実践してみましょう。

※成人男性を対象としています

1日のPFCバランス

対象者:成人男性、体重60〜70kg、軽い運動あり、体重維持目的

摂取カロリー=1日 2,000〜2,200 kcal
PFC=P20% / F25% / C55%前後

栄養素g目安カロリー
タンパク質100〜120g400〜480kcal(約20%)
脂質55〜65g495〜585kcal(約25%)
炭水化物270〜300g1080〜1200kcal(約55%)

月曜日

  • 朝食
    ・ご飯 200g
    ・鮭の塩焼き
    ・味噌汁(豆腐+わかめ)
    ・納豆
    ・ほうれん草お浸し
  • 昼食
    ・鶏むね肉の照り焼き
    ・玄米 200g
    ・キャベツたっぷりサラダ
    ・味噌汁
  • 夕食
    ・豚しゃぶサラダ(ごまダレ少量)
    ・冷奴
    ・ご飯 150g
    ・具だくさんスープ

火曜日

  • 朝食
    ・オートミール 60g+牛乳
    ・ヨーグルト
    ・バナナ
    ・ゆで卵2個
  • 昼食
    ・さばの塩焼き
    ・ご飯 200g
    ・野菜炒め
    ・味噌汁
  • 夕食
    ・牛赤身ステーキ 120〜150g
    ・ご飯 150g
    ・サラダ
    ・野菜スープ

水曜日

  • 朝食
    ・トースト2枚
    ・目玉焼き2個
    ・無糖ヨーグルト
    ・サラダ
  • 昼食
    ・鶏むね肉のチキンカレー
    ・ご飯 200g
    ・サラダ
  • 夕食
    ・白身魚のムニエル
    ・ご飯 150g
    ・ミネストローネ
    ・ブロッコリー

木曜日

  • 朝食
    ・ご飯 200g
    ・納豆
    ・卵焼き
    ・味噌汁
    ・りんご
  • 昼食
    ・そば(温・冷どちらでもOK)
    ・とり天 or ゆで卵追加
  • 夕食
    ・鶏もも肉の塩麹焼き
    ・ご飯 150〜200g
    ・ひじき煮
    ・味噌汁

金曜日

  • 朝食
    ・オートミール+ヨーグルト+フルーツ
    ・ナッツ少量
    ・プロテイン1杯(必要なら)
  • 昼食
    ・焼き魚定食(さんま or 鯖)
    ・ご飯 200g
    ・漬物
    ・味噌汁
  • 夕食
    ・豆腐ハンバーグ
    ・ご飯 150g
    ・根菜の煮物
    ・サラダ

土曜日

  • 朝食
    ・トースト
    ・スクランブルエッグ
    ・ヨーグルト
    ・サラダ
  • 昼食
    ・鶏むね肉と野菜のパスタ(100g)
    ・スープ
  • 夕食
    ・しゃぶしゃぶ(牛 or 豚・野菜たっぷり)
    ・ご飯 150g

日曜日

  • 朝食
    ・ご飯 200g
    ・納豆
    ・味噌汁
    ・卵焼き
  • 昼食
    ・海鮮丼(刺身たっぷり)
    ・味噌汁
  • 夕食
    ・チキンソテー
    ・ご飯 150g
    ・サラダ
    ・スープ

まとめ

科学的根拠のあるダイエット方法は、1日の消費カロリーが摂取カロリーを上回ることです。

摂取カロリーの中身については、PFCバランスを整えた食事がより効果的であると言えます。

しかし、ダイエットや減量は効果が目に見えて現れるのに時間がかかります。

途中で辞めそうになるかもしれませんが、正しい方法を続けることで確実に効果は現れてきます!

最後に、今回の記事の内容をまとめましたので、チェックしてみてください。

参考文献

Association between carbohydrate to protein or fat ratio and mortality: A prospective cohort study Gyu-Hyeon Son et.al Clin Nutr ESPEN 2024 Oct:63:805-812.

Dietary Macronutrient Intake and Cardiovascular Disease Risk and Mortality: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies Yibin Ma et.al Nutrients 2024 Jan 2;16(1):152.