みなさんこんにちは!
ダイエットを成功させるためには結局何をしたらいいのでしょうか?
様々なメディアでダイエットの方法を紹介されていますが、それを真似して挑戦しても失敗したっていう方も多いと思います。
でも安心してください。失敗する原因はあなたではありません。そもそも、その方法が間違っている可能性が高いです。
同じ失敗をしないように、今回はしっかりと科学的に証明されているダイエット&減量の方法を紹介します。

hiro
今回の記事はこんな人にオススメ!
- ダイエットに失敗したくない
- 正しい減量方法を知りたい
- 健康的に痩せたい

メディアによるダイエットの情報を考察
ここ最近で発信されているメディアの情報が、果たして科学的根拠のあるものなのでしょうか?
調査できる範囲になりますが、考察していきましょう。
低炭水化物(低糖質)ダイエット・ケトジェニックダイエット
2つの名前のダイエット方法ですが、両方とも内容はほとんど同じです。
炭水化物=糖質をなるべく摂取しないだけで痩せるという方法です。炭水化物以外は何を食べてもいいと言われることもあるので、食いついきやすい方法ですね。
ケトジェニックダイエットは、とりわけ脂質を積極的に摂取する方法を指します。
低炭水化物ダイエットは、元々てんかんの治療食として推奨されていました。近年では、糖尿病・肥満・腫瘍などの疾患を管理するために応用できると言われています。
低炭水化物ダイエットは、病気の人がやるためのものだったのです。
病気の人であれば、専門家による管理があるのでほとんど害はありません。しかし、素人が自己流でやってしまうと大きな健康被害が発生する可能性があります。
低炭水化物食と代謝健康の関係を研究したものを、次のようにまとめました。
このように、炭水化物を極端に減らしたダイエットは様々な落とし穴があります!
特に注意すべき点は、ケトーシスです。
糖質を限界まで減らすと、人体は自分の脂肪からエネルギーを生み出そうとします。脂肪を分解してエネルギーに変換する過程で、血液中にケトン体が増加します。これがケトーシスという状態です。
ケトーシスが進行すると、ケトアシドーシスという病気が発症します。
血液中のケトン体が増加しすぎると、血液のpH(水素イオン指数)が酸性に偏ります。人体は細胞の正常な活動のために、pHはほぼ中性にしないといけません。これが酸性に偏ると、細胞が正常に機能しなくなります。
具体的には、腹痛・吐き気・意識障害といった症状が発生し、最悪の場合、昏睡状態に陥ります。

新米トレーニー
いろんな悪影響があるから素人が勝手にやっちゃうと危ないかもしれないな…

hiro
そうだな!
低炭水化物ダイエットやケトジェニックダイエットを実践したいときは、まずは専門家に相談しよう!
ファスティング(断食ダイエット)
ファスティング(Fasting)=断食をすることによる体内の変化を応用したダイエット方法です。
断食する期間も様々で、どれくらいやるかは個人の決定に委ねられます。
近年、間欠的断食(インターミッテント・ファスティング)ダイエットは非常に人気を集めており、臨床的に有意な体重減少をもたらすことが知られています。これらのダイエットは、「断食期間」と「食事可能な期間」を交互に繰り返す食事法として認識されています。
特に16時間の断食を繰り返すやり方をオートファジーとも呼んでいます。
ファスティングについて研究した論文では、次のような結果が報告されています。
ファスティングについてはポジティブな論文結果が多くありました。
ただし、ファスティングもどちらかといえば病的な人(脂質異常症・糖尿病など)に対して行われることが多いです。
特に代謝性疾患がある人は、ネットの情報だけで無闇に行わないほうが良さそうです。糖尿病であれば低血糖のリスク、甲状腺疾患の方は甲状腺ホルモンの異常発生の可能性があります。
また、断食をする期間をどうやって決めるか?という問題もあります。初心者の人がいきなり長期間の断食を行えば、栄養失調による悪影響が発生します。
そして成長期の学生の方が断食をすることも問題があります。カラダを作るために必要な栄養がなくなると成長障害につながります。

新米トレーニー
ファスティングは研究レベルだと効果あるっぽいな。
でも初心者の僕は期間の設定とかが難しいかも…

hiro
ファスティングも間違ったやり方をしてしまえば健康被害がでてしまうぞ!
専門家にちゃんと相談してから始めよう。
たった◯◯日で◯◯kg痩せる方法
このフレーズで紹介されるダイエット方法はメディアでよく見かけますね。
短い期間でいかに体重を落とすかという触れ込みは、結果を早く出したい欲のある人にとって魅力的です。
中には1ヶ月以内に5kg以上痩せるといったインパクトのある内容もあります。この方法は健康面において危険だという情報もありますが、実際はどうなのでしょうか?
減量の速度について研究した論文では、次のように報告しています。
急速な減量は、筋肉量や基礎代謝を低下させるようです。
基礎代謝は人間が1日に消費するカロリーの半分以上を占めます。それが減少してしまえば、どんどん痩せづらい体になっていきます。
基礎代謝が低下するため、リバウンドもしやすいという結果になります。
早く結果を出したいと思うことは当然ですが、人間のカラダはそう簡単にいきません。むしろ速さを求めすぎると、リバウンドという最悪の結果を招く可能性があります。

新米トレーニー
テレビや雑誌でよく見るやり方だけど、リバウンドするのは嫌だな〜

hiro
テレビや雑誌は“見る人に注目してもらう”のが仕事だから、みんなが食いつきやすいことしか紹介しないよ。(←偏見)

科学的根拠のある安全なダイエット方法
メディアに取り上げられるようなダイエット方法のほとんどは、何かしらのリスクが伴います。
ファスティングについては論文からマイナスな情報はありません。ですが、やり方を間違えると栄養失調による悪影響があるため、リスクはあります。
それでは、科学的根拠もあってなおかつ安全なダイエット方法を紹介しましょう。
その方法とは…運動と食事管理です!!
とても当たり前なことを言ってしまいました。やはりどんな研究を見ても、最終的には運動と食事管理を併用した方法が推奨されていました。
結局は運動をしないと、人間は健康的に痩せれないというわけです!
安全でリバウンドもしないダイエット方法
成人における減量および体重維持に成功した食事戦略に関する研究をまとめたものでは、次のような報告をしています。
エネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回るとは?
1日の中で、食事から摂取したカロリーより、運動や基礎代謝によって消費したカロリーの方が大きい状態です。
基礎代謝が1500kcalの人が1日に2300kcalの食事をしたとすると、残り800kcal以上を運動で消費すれば良いというわけです。
しかし、800kcalを運動で消費するには、体重60kgの人ならランニング2時間もしなければなりません!毎日続けるのは厳しいですね…
そこで注目すべきところは、摂取カロリーと基礎代謝です。
次の項目で詳しくお話します。
脂質の摂取を減らす
まず、摂取カロリーをどれだけ抑えるか、を考えましょう!
食べ物の栄養素の中で一番カロリーが高いものはなんでしょうか?答えは脂質です。
栄養素とは、糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルです。この中でエネルギー源として使われるのが、糖質・脂質・タンパク質の3つです。
糖質・脂質・タンパク質は、1gあたりのカロリーが決まっています。
糖質=4kcal
脂質=9kcal
タンパク質=4kcal
糖質やタンパク質を50g食べるより、脂質を50g食べる方がカロリーが多くなってしまいます。
よって、脂質をなるべく抑える食事ができれば、摂取カロリーを抑えることができます。
運動によるリバウンドの抑制
次に、基礎代謝をどれだけ高められるかを考えてみましょう。
基礎代謝とは、人間が生命維持のために使われるエネルギーです。体温を調整したり、食べたものを消化・吸収したり、細胞の分裂などでエネルギーを使っています。
1日のエネルギー消費量の約60%は基礎代謝です。基礎代謝が低下してしまうと、効率よくエネルギー消費量を確保できなくなります。

車で例えると、基礎代謝が低い人はハイブリッドカーです。どれだけ走っても、ガソリン(エネルギー)が減りません。車ならとても良い機能ですが、人間が痩せるとなると不利な状態です。
基礎代謝の中の割合を見てみると、筋肉や肝臓、脳などが多くを占めています。肝臓や脳を大きくしてエネルギー消費量を増やすことは現実的ではありませんね。
筋肉は、鍛えることで大きくできます!

筋肉を増やして基礎代謝をアップできれば、エネルギー消費量を効率よく増やすことができます。ハイブリッドカーからトラックのような車になれると良いですね。

食物繊維の摂取
食物繊維はダイエットをする際に摂取した方が良いと考える人は多いと思います。科学的にも、食物繊維は減量に有効であると証明されています。
食物繊維が体重管理に役立つメカニズムとして、満腹感の促進・栄養素の吸収抑制・腸ホルモンの分泌変化などがあります。
ただし、食物繊維も摂りすぎは良くないので、摂取目安量をオーバーしないようにしましょう。
摂取目安量:男性=21g 女性=18g
食物繊維の多い食べ物をまとめましたので、参考にしてみてください。
分類 | 食品 ※100gあたり | 食物繊維量(g) |
野菜類 | にんじん | 6.8 |
ごぼう | 5.7 | |
かぼちゃ | 2.8 | |
キャベツ | 1.8 | |
きのこ類 | しいたけ | 4.6 |
しめじ | 1.9 | |
果物類 | 干し柿 | 14.0 |
バナナ | 1.1 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」

まとめ
ダイエットを安全に効率よく成功させるには、結局運動と食事管理が一番であると言えます。
ポイントをもう一度おさえましょう。
- 安全かつ有効な減量のためにはエネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回る方法をとる
- 脂質の摂取を減らすことでエネルギー摂取量を減少させる
- 運動による筋肉量の増加で基礎代謝をアップさせる
- メディアの情報を安易に実践してはいけない

参考文献
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The Low-Carbohydrate Diet: Short-Term Metabolic Efficacy Versus Longer-Term Limitations Thomas M Barber et.al Nutrients 2021 Apr 3;13(4):1187. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33916669/
A Review of Ketogenic Diet and Lifestyle Erin McGaugh et.al Mo Med 2022 Jan-Feb;119(1):84-88. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36033148/
Effects of Intermittent Fasting on the Circulating Levels and Circadian Rhythms of Hormones Bo Hye Kim et.al Endocrinol Metab (Seoul) 2021 Aug;36(4):745-756. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34474513/
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The role of diet and exercise for the maintenance of fat-free mass and resting metabolic rate during weight loss Petra Stiegler et.al Sports Med 2006;36(3):239-62. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16526835/
Associations between the rate, amount, and composition of weight loss as predictors of spontaneous weight regain in adults achieving clinically significant weight loss: A systematic review and meta-regression Jake Turicchi et.al Obes Rev 2019 Jul;20(7):935-946. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30925026/
Healthy strategies for successful weight loss and weight maintenance: a systematic review Stephanie Ramage et.al Appl Physiol Nutr Metab.2014 Jan;39(1):1-20. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24383502/
Dietary fiber and body weight Joanne L Slavin et.al Nutrition.2005 Mar;21(3):411-8. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15797686/
エネルギー消費量とその測定方法 Shigeho Tanaka https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/24/5/24_5_1013/_pdf